カフェのイケメン君が私のウソ彼です
「宮くんのほうが年上じゃないですか。」


「でも敬語はやめよ。あと、宮田浩輔だから。」


宮田浩輔、と心の中で繰り返す。
宮くんのことが1つ明らかになるだけで口角が上がる。


「敬語、努力はする。」


敬語にならないように頑張って話す私を見てクスクス笑っている。


「うん、がんばってね。潤は呼び方どうする？」


「え？宮くん。」


名前は教えてもらったけれど、宮くんって呼び方は結構気に入っていたりする。


「仮にも結婚考えている人同士だったら苗字じゃないほうが良くない？」


確かにそうかも。結婚したら同じ苗字だもんね。
宮くんの顔をじっと見る。
やっぱり浩輔さんよりはしっくりくるんだけどな。


「潤？あんまり見つめないでもらえる？」


呼び捨ては何度聞いても慣れないだろうな。
敬語が外れたら’ちゃん‘も外れ、それすらぐっとくる。


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