カフェのイケメン君が私のウソ彼です
胸のところにある『MIYATA』というネームが目に留まった。
「宮田なら宮くんだね。」
そんな恥ずかしいことを口走ってしまった私はまだ酔っていたのだろう。
「どうぞ、好きに呼んでもらって構わないですよ。お姉さんのことはなんて呼ぶ?」
苗字か名前のどちらにしようか。
一瞬言葉に詰まる。
「ミズキ」
酔いから醒めない頭でもこうやって答えてしまうくらい、やっぱり自分の名前が嫌いだなって再認識する。
女なのに男っぽい名前。
それも理由を知ってからは尚更好きになれなかった。
幼い時ほど気にならないと思っていたけれど、そうでもないらしい。