カフェのイケメン君が私のウソ彼です
衣類の指示は今回が初めてだよな、多分。
そのくらい今回の会食は重要なのだろう。


レースのついた真っ白いワンピース。
着るだけで上品に見える。
まるでお嬢様みたいだ。


私は社長の娘だからお嬢様になるのか。


そんなどうでもいいことを考えながら部屋を出た。


街中のショーウィンドウに映る自分の姿が目に入る。
いつまでも見慣れない社交用の化粧。


反発しながらも結局は言いなりになっているのは私だ。


指定された場所にはすでに下田さんが来ていた。


「おはようございます。」


「おはようございます。こちらへ。」


スマートにドアを開け、私を車の中へ入れる。


行き先に指定されていた所は有名な料亭だった。
どうせだったら洋食が良かったな。


またもやどうでもいいことに意識がいく。


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