カフェのイケメン君が私のウソ彼です
「お父様とお会いするときに何度かお話を聞かせていただいたことがありまして。」


「父からですか。」


さすがだね。私の表情を呼んで話を進めている。
でも私の何を話していたのだろう。


「はい。潤様にも幾度かご利用いただいていたのですが、覚えていらっしゃいますか。」


「覚えています。あの時はあまりマナーも分からず失礼を働いたこともあったかもしれませんね。」


ホテルの会食はいろいろな場所を使っていた。
でも和食を出すような料亭はほぼここだけだからよく覚えている。


「いえいえ、丁寧でおいしそうに食べてくださっていましたよ。今回、いらっしゃることを聞いてぜひ1度ご挨拶を申し上げたいと思っていました。」


「そんなに良い印象をお持ちになられると緊張してしましますね。今日もお食事を楽しみにしています。」


あまりに丁寧な物言いに私が恐縮しちゃう。
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