カフェのイケメン君が私のウソ彼です
偉いのは悪魔であって私ではないのに。


「はい。料理人が腕を振るっておりますので、是非楽しい時間をお過ごしください。それでは失礼いたします。」


遠藤さんが部屋を出ていくのを最後まで見届けると自然と肩から力が抜けた。


今からこんなに緊張しちゃって大丈夫かな。
こみ上げる不安な気持ちを押し殺して表情をつくる。


次に襖が開いた時に入ってきたのは、悪魔と知らない2人の男性だった。


全員が座った所で自己紹介が始まった。


と言っても話しているのは悪魔と相手の2人の方。
私の口を挟むすきはない。
私の自己紹介も悪魔がしてしまった。


私のお相手の方は藤堂直人さん。
経歴を聞けばエリートであることには間違いない。
今は自分で作った会社を経営しているが、ゆくゆくは父親の後を継ぐらしい。


親子で社長とかすごいよね。
どこでこんなハイスペックな人を捕まえてきたんだろう。


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