カフェのイケメン君が私のウソ彼です
料理が運ばれてきて、さらに話は盛り上がっている。
適度な相槌を打つのだけは忘れないようにしながら、話を聞き食事をする。


どうせだったら、楽しみながら食べたかったな。
食べることに集中できないことがもったいない。


メインの食事が終わり、悪魔とあちらのお父様が立った。


後は若い人でやれ、と言って。


いやいや、気まずいでしょ。
これで終了だったら私も帰りたいし。


そんな思いが通じるはずもなく仲良く帰っていく背中を見送った。


入れ違いに私と藤堂さんの分だけ、デザートが運ばれてきた。


「はめられた気分ですね。」


藤堂さんが先に苦笑しながら口を開いた。


「そうですね。」


「とりあえずデザートをいただきませんか。」


「はい。」


この場に対応できていない私に他愛もない会話を振ってくださる。


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