カフェのイケメン君が私のウソ彼です
「どうしても一度、話がしたくてずっと探していたんです。そして水城社長が持っていた写真を見たとき、とても驚きましたが、嬉しかったんです。やっと見つけたって。」


「そうなんですか。」


「はい。まさか2人で話をする機会が今日いただけるなんて思っていませんでしたけど。」


そういって爽やかな笑顔を私に向ける。


もうなんて答えていいのか分からない。
その時声をかけたのが私だとしても、私は覚えていないのだから申し訳ない。


「今後も食事などに誘わせてもらってもいいですか。」


「食事、ですか」


思わずオウム返しをしてしまった。


「はい。もしよければ時間があるときにゆっくり話をしたいんです。」


私は曖昧な返事をしかすることができない。
だけれど、流されるまま連絡先を交換してしまった。
藤堂さんと会うのは今日限りだと思っていたのに。


その後も会話をしていたけれどあまり頭には入ってこなかった。
< 99 / 187 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop