白銀の王子様
*第1章*
*白銀の王子様*
◇玖宇side◇
─────1年前のとある夏の日。
ーパコーンッ!
ーワァァァァ……。
ソフトテニス部のマネージャーとして参加した地区の予選大会。
「玖宇ちゃん、これお願い!」
「はい!」
「三波ー! ドリンク2本くれないかー?」
「はい!」
「ごめん、ベンチにタオル忘れた」
「取ってきます!」
高校1年生でまだ入部したてだった私は、初めての大会参加で、あちこち慌ただしく走り回っていた。
自校の応援する暇もないぐらい……。
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