コイノヨカン
「栞奈ちゃんのお父さんだから、50歳くらいかな?」

「ええ、そのくらいです」

「ご職業は?いつもスーツを着る方?」

「高校の国語教師をしています」

「じゃあ、ネクタイとか。ベタかなあ?」

「いえ、いいと思います」

言っている間に、3点ほどのネクタイが目の前に並んだ。


「うーん。みんな素敵ですね」

「せっかくだから、栞奈ちゃんが気に入った物で、普段選ばないようなのにするといいよ」

はあ。

「じゃあ」

一番大柄で、おしゃれなネクタイを選択。
どうせ普段用になんてしないだろうから、少し派手目の物にした。

「買ってきます」
「うん。ラッピングも忘れずに」
「はい」
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