コイノヨカン
戸惑いのヨカン

アクシデント

もー、なんであんなことを言うんだろう。
言わなくたって、奥様は気付いている。
わざわざ口にしないのは、認めたくないからだと思う。
まさか契約交際だとは思ってないだろうし・・・


「あれ?」

鍵をドアに差し込んで、私は固まった。

鍵が、空いている。

閉め忘れ?
そんなはずは・・・

恐る恐るドアに手をかけ、

ウワアー。
開けた瞬間、息が止った。

部屋に中に、誰かが入った痕跡。

散乱した靴。
廊下には靴跡。
廊下に先の見えるリビングには、洋服や下着が散らかっている。

怖い。
ガタガタと足が震えだした。

「お願い、助けて」

私は渉さんに助けをもとめた。
1人では、動くことができなかった。
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