コイノヨカン
**SIDE 渉**
一昨日の事件後、かなりナーバスになっている栞奈が心配でしかたなかった。
本当なら仕事にも行かせたくなかったが、止めれば強行突破されそうでそれなら目のとどくところに置いておこうと一緒に通勤した。
帰りも一緒に帰るつもりだったのに、香川凜が現れて栞奈は1人で出て行った。
なんとか凜の手をふりほどき追いかけたときにはもう姿がなくて、俺は急いで家に帰ってきた。
離れの前で立ち尽くす栞奈を見てホッとした気持ち半分と、真っ青な顔でガタガタと震える姿に動揺する気持ちが半分。
それでもとにかく抱きしめて、「勝手に帰るんじゃない」と叱りつけてしまった。
俺の腕の中で、栞奈は凄く不機嫌そうだった。
いきなり叱りつけてしまった俺に怒っているのか、抱きしめられたことが気にいらないのか、黙り込んでしまった。
そのあと何度も「母屋に行こう」と勧めたが、首を振り続けた。
なんなんだ一体。
ちょっと近づいたと思えば、すぐに距離を取ってしまう。
この俺が、完全に振り回されている。
しばらく離れの玄関に立っていた俺たち。
「もう、帰るわ」
栞奈は俺から離れていった。
俺には止めることが出来なかった。
一昨日の事件後、かなりナーバスになっている栞奈が心配でしかたなかった。
本当なら仕事にも行かせたくなかったが、止めれば強行突破されそうでそれなら目のとどくところに置いておこうと一緒に通勤した。
帰りも一緒に帰るつもりだったのに、香川凜が現れて栞奈は1人で出て行った。
なんとか凜の手をふりほどき追いかけたときにはもう姿がなくて、俺は急いで家に帰ってきた。
離れの前で立ち尽くす栞奈を見てホッとした気持ち半分と、真っ青な顔でガタガタと震える姿に動揺する気持ちが半分。
それでもとにかく抱きしめて、「勝手に帰るんじゃない」と叱りつけてしまった。
俺の腕の中で、栞奈は凄く不機嫌そうだった。
いきなり叱りつけてしまった俺に怒っているのか、抱きしめられたことが気にいらないのか、黙り込んでしまった。
そのあと何度も「母屋に行こう」と勧めたが、首を振り続けた。
なんなんだ一体。
ちょっと近づいたと思えば、すぐに距離を取ってしまう。
この俺が、完全に振り回されている。
しばらく離れの玄関に立っていた俺たち。
「もう、帰るわ」
栞奈は俺から離れていった。
俺には止めることが出来なかった。