コイノヨカン
婚約報道
「栞奈さんおはよう」
「おはようございます」
2日ぶりに離れで眠った朝。
私はいつものように母屋で朝食をいただいた。
「心細くなったら、いつでもいらっしゃいね。渉は気にしなくていいから」
お味噌汁をよそいながら、奥様が言ってくれた。
やはり、私と渉さんの事には気付いるんだ。
「すみません」
「何で栞奈さんが謝るの。怖い思いをしたのはあなたなのに」
でも、隠し事をしている身としては、申し訳ない気持ちしかない。
「ところで、親御さんにはお知らせしたの?」
「いいえ」
空き巣に入られたことどころか、火事に遭ったことも、お屋敷に居候していることも話していない。
話したら飛んできそうだし、下手したら連れて帰られてしまいそうで言えない。
ピンポーン。
玄関のチャイム。
「はーい」
お手伝いさんが走って行った。
そして現れたのは、
「おはようございます」
満面笑顔の凜さん。
「あら、おはよう」
奥様の意外そうな顔。
どうしたの?と、視線が聞いている。
「今日は渉さんと父に会う約束なんです。昨日急にキャンセルになったので」
と、凜さんが私に鋭い視線を送る。
「あれ、随分早いね」
渉さんも凜さんの登場を知っていたらしい。
「ごちそうさまでした」
私は急いでご飯をかき込み、席を立った。
早くここから逃げ出したい。
「おはようございます」
2日ぶりに離れで眠った朝。
私はいつものように母屋で朝食をいただいた。
「心細くなったら、いつでもいらっしゃいね。渉は気にしなくていいから」
お味噌汁をよそいながら、奥様が言ってくれた。
やはり、私と渉さんの事には気付いるんだ。
「すみません」
「何で栞奈さんが謝るの。怖い思いをしたのはあなたなのに」
でも、隠し事をしている身としては、申し訳ない気持ちしかない。
「ところで、親御さんにはお知らせしたの?」
「いいえ」
空き巣に入られたことどころか、火事に遭ったことも、お屋敷に居候していることも話していない。
話したら飛んできそうだし、下手したら連れて帰られてしまいそうで言えない。
ピンポーン。
玄関のチャイム。
「はーい」
お手伝いさんが走って行った。
そして現れたのは、
「おはようございます」
満面笑顔の凜さん。
「あら、おはよう」
奥様の意外そうな顔。
どうしたの?と、視線が聞いている。
「今日は渉さんと父に会う約束なんです。昨日急にキャンセルになったので」
と、凜さんが私に鋭い視線を送る。
「あれ、随分早いね」
渉さんも凜さんの登場を知っていたらしい。
「ごちそうさまでした」
私は急いでご飯をかき込み、席を立った。
早くここから逃げ出したい。