コイノヨカン
「ごちそうさまでした」
ゆっくりとコースで出されるお料理いただき、店を出る頃には9時になっていた。
「気にいってもらえたかなあ?」
と、伝票を持った健さん。
結局何も聞き出すことはできなかった。
本当は言いたいこともあるのに、私も今は追求する気力がないまま食事が終わってしまった。
しかたない、落ち着いたら話をしよう。
「じゃあ、送るよ。萌ちゃんの家でいい?」
「はい」
萌さんか帰っているかなあ。
まだならどこかで時間をつぶさないと。
私はカバンから携帯を取りだし、切っていた電源を、
あああぁ
凄い数の着信。
それも全部渉さんから。
マズイ。
「どうしたの?」
顔色を変えた私を健さんが気にしている。
「大丈夫です」
「嘘。凄く顔色悪いよ」
「そんなことありません」
私は精一杯平気な振りをした。
車は都心を抜け郊外へ。
30分ほど走って、萌さんのマンション付近。
とても静かな住宅地。
「その先だよね?」
「ええ」
マンションの前まで来て、車は止った。
その時、
ゆっくりとコースで出されるお料理いただき、店を出る頃には9時になっていた。
「気にいってもらえたかなあ?」
と、伝票を持った健さん。
結局何も聞き出すことはできなかった。
本当は言いたいこともあるのに、私も今は追求する気力がないまま食事が終わってしまった。
しかたない、落ち着いたら話をしよう。
「じゃあ、送るよ。萌ちゃんの家でいい?」
「はい」
萌さんか帰っているかなあ。
まだならどこかで時間をつぶさないと。
私はカバンから携帯を取りだし、切っていた電源を、
あああぁ
凄い数の着信。
それも全部渉さんから。
マズイ。
「どうしたの?」
顔色を変えた私を健さんが気にしている。
「大丈夫です」
「嘘。凄く顔色悪いよ」
「そんなことありません」
私は精一杯平気な振りをした。
車は都心を抜け郊外へ。
30分ほど走って、萌さんのマンション付近。
とても静かな住宅地。
「その先だよね?」
「ええ」
マンションの前まで来て、車は止った。
その時、