コイノヨカン
萌さんの家のソファーに座り込み、毛布にくるまって動かなくなった私。
「栞奈ちゃん。本当にここでいいの?」
萌さんは布団を敷こうと言ってくれるけれど、断わった。
今は、どんないい布団でも寝られそうにない。
「ビール飲む?」
首を振った。
今お酒に逃げても、何も解決しない。
酔いが覚めれば、また現実が待っている。
あああー。
何だろうこの気持ち。
ただ騙されただけならば、怒ったり、嫌いになったりすればいいんだと思う。
でも、それもできない。
きっと、私の気持ちが入りすぎてしまったから。
「専務がね」
「え?」
突然萌さんの口から渉さんの話が出て、驚いた私は顔を上げた。
「専務がね、『栞奈のことをお願いします』って」
へえ。
「健さんの反応もおかしかったし、専務の態度も最近変だったから、何かあるのかなとは思っていたけれど」
そう言うと、向かいの椅子の腰を下ろした萌さん。
「騙していたみたいで、すみません」
私は頭を下げた。
「いいのよ。別に私は何の被害にも遭ってないし。正直、セレブとの恋愛って興味ないし」
「はあ」
私だって、好きでこの状況になったわけではない。
できることなら、もっと平凡な恋愛がしたかった。
「はい」
泣きそうな私に、萌さんがティッシュボックスを差し出す。
「ありがとうございます」
「きっと事情があるんでしょうけれど・・・栞奈ちゃんがねぇ」
不思議そう。
誰が見たって、私と渉さんでは釣りあっていない。
渉さんにはもっと華やかで、社交的で・・・そう、凜さんみたいな人がいいに決まっている。
「何でですかねえ?」
ボソッと口から出た言葉に
「あなたが言ってどうするのよ」
萌さんの突っ込みが入った。
「栞奈ちゃん。本当にここでいいの?」
萌さんは布団を敷こうと言ってくれるけれど、断わった。
今は、どんないい布団でも寝られそうにない。
「ビール飲む?」
首を振った。
今お酒に逃げても、何も解決しない。
酔いが覚めれば、また現実が待っている。
あああー。
何だろうこの気持ち。
ただ騙されただけならば、怒ったり、嫌いになったりすればいいんだと思う。
でも、それもできない。
きっと、私の気持ちが入りすぎてしまったから。
「専務がね」
「え?」
突然萌さんの口から渉さんの話が出て、驚いた私は顔を上げた。
「専務がね、『栞奈のことをお願いします』って」
へえ。
「健さんの反応もおかしかったし、専務の態度も最近変だったから、何かあるのかなとは思っていたけれど」
そう言うと、向かいの椅子の腰を下ろした萌さん。
「騙していたみたいで、すみません」
私は頭を下げた。
「いいのよ。別に私は何の被害にも遭ってないし。正直、セレブとの恋愛って興味ないし」
「はあ」
私だって、好きでこの状況になったわけではない。
できることなら、もっと平凡な恋愛がしたかった。
「はい」
泣きそうな私に、萌さんがティッシュボックスを差し出す。
「ありがとうございます」
「きっと事情があるんでしょうけれど・・・栞奈ちゃんがねぇ」
不思議そう。
誰が見たって、私と渉さんでは釣りあっていない。
渉さんにはもっと華やかで、社交的で・・・そう、凜さんみたいな人がいいに決まっている。
「何でですかねえ?」
ボソッと口から出た言葉に
「あなたが言ってどうするのよ」
萌さんの突っ込みが入った。