コイノヨカン
「どなたですか?」
思わず聞いた私に、
「香川商事の社長」
えっ、凜さんお父さん。
そう言えば、凜さんの件はうやむやのまま。
何の動きもない。
バタン。
専務室のドアが開いた。
「今から外出して、直帰します」
苦々しい顔で出てきた渉さん。
私に何か言いたそうにして通りすぎて行った。
きっと事情があるはず。
しばらくして、
『すまない。香川社長に呼ばれたから』
短いメールが届いた。
仕方ない。仕事だもの。
さあ帰ろう。
色々考えていてもしょうがない。
会社を出て駅へ向かう道。
プププ プププ
電話?
「もしもし」
『もしもし栞奈さん?』
かけてきたのは凜さんだった。
『突然ごめんなさいね。実は、栞奈さんとお話がしたいの』
「はあ」
戸惑っている私を無視して、凜さんは待ち合わせの場所を言い、
そして電話を切ってしまった。
もちろん、行く気などなかった。
今、凜さんに会っても傷つけられるのは分かっている。
でも、断わる前に電話を切られてしまっては、とりあえず行くしかない。
渉さんに相談しようとも考えたけれど、やめた。
今は渉さんだって、大変なんだから。
「仕方ない」
私は呼び出された場所へ向かった。
思わず聞いた私に、
「香川商事の社長」
えっ、凜さんお父さん。
そう言えば、凜さんの件はうやむやのまま。
何の動きもない。
バタン。
専務室のドアが開いた。
「今から外出して、直帰します」
苦々しい顔で出てきた渉さん。
私に何か言いたそうにして通りすぎて行った。
きっと事情があるはず。
しばらくして、
『すまない。香川社長に呼ばれたから』
短いメールが届いた。
仕方ない。仕事だもの。
さあ帰ろう。
色々考えていてもしょうがない。
会社を出て駅へ向かう道。
プププ プププ
電話?
「もしもし」
『もしもし栞奈さん?』
かけてきたのは凜さんだった。
『突然ごめんなさいね。実は、栞奈さんとお話がしたいの』
「はあ」
戸惑っている私を無視して、凜さんは待ち合わせの場所を言い、
そして電話を切ってしまった。
もちろん、行く気などなかった。
今、凜さんに会っても傷つけられるのは分かっている。
でも、断わる前に電話を切られてしまっては、とりあえず行くしかない。
渉さんに相談しようとも考えたけれど、やめた。
今は渉さんだって、大変なんだから。
「仕方ない」
私は呼び出された場所へ向かった。