コイノヨカン
待ち合わせ場所は駅前のレストラン。
入ったことはないけれど、おしゃれな洋館で、いつも外から見ていた場所。
入り口の階段を上がり、ドアに手をかけようとしたとき、
んん?
『貸し切り』の文字が目に入った。
どうしよう・・・
ドアの前で困っていると、
「栞奈さん」
凜さんの声。
満面笑顔で手招きしている。
でも、それ以上に驚いたのが、
パーティードレス?
「ほら、こっちよ」
呼ばれてしまい、仕方なく店の中に足を踏み入れた。
「あの、ここは?」
聞かずにはいられなかった。
「今日は企業の二世会なのよ」
二世会って事は、お坊ちゃんお嬢ちゃんの集まり。
・・・イヤだな。
何とかして、速く逃げないと。
「あれー凛。珍しいね」
声をかけてきたのは、高そうなスーツの男性。
いかにも軽そうで、多分年下だわ。
「この子は?」
一緒に現れた数人の男性が私を見ている。
頭のてっぺんからつま先までをまるで値踏みするような視線に、背中がぞくっとした。
「お友達の栞奈さんよ」
お友達?
私は凜さんを睨んでしまった。
「いやだ。渉さんのお友達は、私のお友達でしょ?」
「・・・」
やられた。
これは凜さんの罠だ。
私はここに来るべきではなかった。
入ったことはないけれど、おしゃれな洋館で、いつも外から見ていた場所。
入り口の階段を上がり、ドアに手をかけようとしたとき、
んん?
『貸し切り』の文字が目に入った。
どうしよう・・・
ドアの前で困っていると、
「栞奈さん」
凜さんの声。
満面笑顔で手招きしている。
でも、それ以上に驚いたのが、
パーティードレス?
「ほら、こっちよ」
呼ばれてしまい、仕方なく店の中に足を踏み入れた。
「あの、ここは?」
聞かずにはいられなかった。
「今日は企業の二世会なのよ」
二世会って事は、お坊ちゃんお嬢ちゃんの集まり。
・・・イヤだな。
何とかして、速く逃げないと。
「あれー凛。珍しいね」
声をかけてきたのは、高そうなスーツの男性。
いかにも軽そうで、多分年下だわ。
「この子は?」
一緒に現れた数人の男性が私を見ている。
頭のてっぺんからつま先までをまるで値踏みするような視線に、背中がぞくっとした。
「お友達の栞奈さんよ」
お友達?
私は凜さんを睨んでしまった。
「いやだ。渉さんのお友達は、私のお友達でしょ?」
「・・・」
やられた。
これは凜さんの罠だ。
私はここに来るべきではなかった。