コイノヨカン
ガチャ。
入り口のドアが開く音。

絨毯の上を歩く足音が聞こえ、目の前に現れた２人の男性。

黒いスーツ。
サングラス。
いかにもその筋の人って風貌。

怖いな。
始めてそう感じた。

何の言葉をかけることもなく、
ギュッ、と私の髪をつかむ態度にも冷酷さを感じる。

私は男を睨み付けた。

グイッ。
さらに髪を引っ張られ、

「痛いっ」
思わず声が出た。

クク。
薄気味悪く笑う男達。

ドンッ。
私は自由になっていた足で、男の１人を蹴り上げた。

「ウッ」
一瞬声を上げた男。

しかし、次の瞬間。

パンッ。
派手な音を立てて、私の頬が鳴った。

「なめるんじゃないぞ」
ドスのきいた声。

さらに、

ベットの上に倒れた私に襟首をつかむと、

ビリビリッ
ブラウスを裂き、全開にしてしまった。

飛び散ったボタンが散らばるベット。
私は震えが止らない。

抵抗しても無駄。
彼らはプロだ。
< 164 / 236 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop