コイノヨカン
外から遮断され隔離された部屋で、時間の感覚が分からないまま、随分と長い時間が過ぎた。

何度かベットに横になり眠った。
食事も運ばれてきた。

一体何日過ぎたんだろう。

男達はほとんど口をきかないが、時々交代で出ていく。
帰って来ると臭いがするから、きっとたばこを吸いに出て行ってるんだろう。
室内禁煙のホテルなんて、割とちゃんとしたところかもしれない。

私の行動範囲はベットとトイレまで。
その先、男達の座っているソファーには届かない。

このままずっと、私は拘束されたままなんだろうか?
それどころか、もしかして・・・
嫌なことばかりが頭に浮かぶ。

ああ、母さんに、父さんに、萌さんに会いたい。
そして、
渉さんに、会いたい。


朝か夜かもわからないなかで、少し眠った。

目が覚めると、男は1人になっていた。

んーん。
男がソファーでのびをする。

私は寝たふり。

起き上がった男は私に近づき、顔を覗き込むとたばこを手に部屋の外へ出て行った。
きっとたばこを吸いに行ったんだ。

と言うことは、ここには私1人。

素早く起き上がると、辺りを見渡した。

今がチャンス。
何とかして逃げないと。
何か方法は・・・

ああっ。
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