コイノヨカン
テーブルの上に残されたライター。
私はロープが届くギリギリまでテーブルに近づき、そこから足を伸ばしてライターを落とした。

落ちたライターをゆっくりとたぐり寄せる。

後はベットに戻り、

シーツを外し、

ボッ。

ライターでシーツに火を付けた。


広がっていく炎。
立ち上る煙。

ゴホゴホッ。
私もむせてしまう。

でも今はこれしか方法がないから。

そして、

リーン リーン。
火災報知器が作動した。

ああこれで、焼け死ぬよりも早く助けが来れば、私は助かる。
そんなことを考えながら、私は気を失った。
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