コイノヨカン
午後の会議には私も同行させてもらった。

会議は中野商事の会議室で、現在進行中の海外食品や雑貨ブランドとの提携についての打ち合わせが行われる。
参加者はうちのホテルの担当部長と専務、中野商事の担当重役、あとは海外のブランド担当者。
ブランド担当者は欧米やヨーロッパの人ばかり。
どうやら通訳が必用みたい。

会議は予定通り始まった。

しかし、なかなか話が先に進まない。
原因は・・・通訳がいけてない。
もちろん難しい専門的な言葉が出てくることもあるけれど、
中野商事の通訳さん、ダメだ。
1つの会話を訳すのに、倍以上の時間がかかっている。
これでは会議が進まないはず。

「そうではないんです」
専務もイライラし始めた。

専務だけじゃなくて、みんな困っている。

ああー。
もうダメ。

出過ぎたことと知りながら、私は一歩踏みだしてしまった。
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