コイノヨカン
「栞奈は知っているんですか?」
「えっ?」
「今、あなたがここに来ていることを栞奈は知っているんですか?」
「いいえ。僕が勝手にしています」
「そうですか。ではお帰りください。そもそもあなたと栞奈では住む世界が違うんです。あなたはあなたに見合った方とお付き合いください。栞奈にはかまわないで頂きたい」
「どうか、1度だけチャンスをいただけないでしょうか?」
俺は食い下がった。
ここで引き下がるわけにはいかないんだ。
俺にとって栞奈は運命に人だと、気づいてしまったんだから。
「松田さん。あなたはお金持ちで、立派な仕事があって、何でも手にしているじゃないですか。何で栞奈にこだわるんですか?もっと良いお相手がたくさんいるでしょう。どうか栞奈に関わらないでください。どうぞお帰りください」
そう言って背を向け、戻っていこうとするお父さん。
俺は何かしないといけないと思った。
なぜそんな行動に出たのか自分でも分からない。
ただ、栞奈を失いたくなかった。
気がつけば、体が勝手に動いていた。
「松田さん」
お母さんの驚く声。
その声に振り向いたまま、固まってしまったお父さん。
2人の視線の先に、
玄関に膝をついた俺がいた。
「えっ?」
「今、あなたがここに来ていることを栞奈は知っているんですか?」
「いいえ。僕が勝手にしています」
「そうですか。ではお帰りください。そもそもあなたと栞奈では住む世界が違うんです。あなたはあなたに見合った方とお付き合いください。栞奈にはかまわないで頂きたい」
「どうか、1度だけチャンスをいただけないでしょうか?」
俺は食い下がった。
ここで引き下がるわけにはいかないんだ。
俺にとって栞奈は運命に人だと、気づいてしまったんだから。
「松田さん。あなたはお金持ちで、立派な仕事があって、何でも手にしているじゃないですか。何で栞奈にこだわるんですか?もっと良いお相手がたくさんいるでしょう。どうか栞奈に関わらないでください。どうぞお帰りください」
そう言って背を向け、戻っていこうとするお父さん。
俺は何かしないといけないと思った。
なぜそんな行動に出たのか自分でも分からない。
ただ、栞奈を失いたくなかった。
気がつけば、体が勝手に動いていた。
「松田さん」
お母さんの驚く声。
その声に振り向いたまま、固まってしまったお父さん。
2人の視線の先に、
玄関に膝をついた俺がいた。