コイノヨカン
ガチャッ。
玄関のドアを開けた。

しかし次の瞬間、とんでもない物が目に飛び込んできた。

これは何の悪夢?

「どうして・・・」
私は言葉を失った。


目の前には、父さん、母さん、そして・・・渉さん。

父さんは仁王立ちでこちらを向き、すぐ横に母さんが立っている。
そして渉さんは、玄関に膝をついている。

高そうなスーツが家の玄関についていて・・・

「やめてください。そんなことをされても困るんです。あなたと栞奈は終わったはずじゃないですか」
強い口調の父さん。

「分かっています。僕が勝手にしています。僕はどうしても栞奈を忘れることができないんです」

いつもの俺様な態度は微塵もなく、一心から言葉にしているのが分かる。

「どこまで非常識なんですか。あなたは十分に栞奈を傷つけたはずだ。もう関わらないでもらいたい」

「父さん、やめて」
状況がわからないまま、止めに入ってしまった。

「栞奈」
母さんが黙ってなさいと声をかけるけれど、これって酷すぎる

もう、私は止らなかった。
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