コイノヨカン
恋のヨカン
その晩。
久しぶりに一睡もできなかった。
布団に入り、色々と考えた。
もう終わったと思っていたのに、いきなり現れた徹さんにとにかく驚いた。
あれだけの決心をして別れを決めたのに、たった一度の再会に動揺した。
そして、思った。
このまま、渉さんの事を忘れることができるんだろうか?
おそらく・・・無理だろう。
半年もたっているのに、こんなに気持ちが乱れている時点で結果は見えている。
きっと、この気持ちは止められない。
翌日、私は1人で松田のお屋敷を訪れた。
平日だけあって希未ちゃんも渉さんも留守で、奥様が迎えてくれた。
「久しぶりね」と言われ、お茶を頂き、近況などを話した。
ふと、窓から離れの屋根が見える。
「あそこは、あのままなのよ」
そう言われ涙が溢れた。
「栞奈さん?」
奥様が驚いている。
ちゃんと話さなくてはいけない。
子供同然にかわいがってもらい心配をかけてしまった奥様をたとえ裏切る結果になっても、自分の口で伝えないと。
「ごめんなさい。私は、渉さんを忘れることができません」
それだけ言うのがやっとで、泣き崩れた。
奥様は何も言わずに、私を抱きしめてくれた。
久しぶりに一睡もできなかった。
布団に入り、色々と考えた。
もう終わったと思っていたのに、いきなり現れた徹さんにとにかく驚いた。
あれだけの決心をして別れを決めたのに、たった一度の再会に動揺した。
そして、思った。
このまま、渉さんの事を忘れることができるんだろうか?
おそらく・・・無理だろう。
半年もたっているのに、こんなに気持ちが乱れている時点で結果は見えている。
きっと、この気持ちは止められない。
翌日、私は1人で松田のお屋敷を訪れた。
平日だけあって希未ちゃんも渉さんも留守で、奥様が迎えてくれた。
「久しぶりね」と言われ、お茶を頂き、近況などを話した。
ふと、窓から離れの屋根が見える。
「あそこは、あのままなのよ」
そう言われ涙が溢れた。
「栞奈さん?」
奥様が驚いている。
ちゃんと話さなくてはいけない。
子供同然にかわいがってもらい心配をかけてしまった奥様をたとえ裏切る結果になっても、自分の口で伝えないと。
「ごめんなさい。私は、渉さんを忘れることができません」
それだけ言うのがやっとで、泣き崩れた。
奥様は何も言わずに、私を抱きしめてくれた。