コイノヨカン
その晩、ホテルのスイートを取ってもらい贅沢な時間を過ごした。
高層階の窓から見る夜景と舞い落ちる雪は幻想的で、夢を見ているようだった。

「栞奈」

名前を呼び、重ねられる唇。

「ん、んっ」
思わず漏れてしまう声。

いつになく情熱的な渉が私を翻弄する。

「ちょっ、待って」

思わず声を上げたけれど、渉にやめる気はないらしい。
何度も何度も体を重ね、心も体も渉で満たされていく中で、私は意識を手放した。


明け方目が覚めた時には起き上がることも辛いくらいの倦怠感に襲われていた。
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