コイノヨカン
「ごめん、大丈夫?」
私よりも先に起き出した渉がベッドに入ったままの私を覗き込む。

謝るくらいなら手加減してほしかった。

「起きられるか?」
「うん」

怠いけれど体調が悪いわけではないし、あれだけ愛されれば心が満たされていて幸せでいっぱい。

「ルームサービスを頼んだから、ゆっくりしていろ」
「ありがとう」

「ただし、あんまりゆっくりしているとまた襲うかもしれないがな」

えええー。
反射的に飛び起きた。

ククク。
「冗談だよ」
笑い出す渉。

「もー」
意地悪。
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