コイノヨカン
その後、ルームサービスで朝食を済ませ2人で外出。
今日の予定は小樽散策。
運河遊覧した後は川沿いのお店を見て回る。
「このグラス、かわいいわね」
「ああ」
ガラス工芸のお店でいくつか買い物をして、お母さまと希未ちゃんのお土産も購入。
「わー、このチーズケーキもおいしそう」
思わず手が出そうになった私を渉が引っ張る。
ん?
「この後寿司に行くんだろ?」
「ああ」
そうだった。
地元のお寿司屋さんを予約したんだ。
「行くよ」
名残り惜しそうにケーキを見ている私を残し歩き出す渉。私もあわてて後を追った。
その時、
ドンッ。
慌てて駆け出したせいで、人にぶつかってしまった。
キャッ。
転びそうになった私を、ぶつかった男性が支えてくれた。
「すみません」
「いえ、こちらこそ」
大学生だろうか、若そうな男性。
服装や持ち物から見て観光客ではなさそう。
「大丈夫ですか?」
私の腕をしっかりとつかんだまま見つめられ、
「え、ええ」
答えに詰まった。
なんだかとても、嫌な予感が・・・
「おねえさん、おひとりですか?もしよかったら」
「あ、あの」
その先を聞きたくなくて遮った。
「ごめんなさい、連れがいるんです」
「残念だなあ、穴場のショップを紹介しようと思ったのに」
「・・・結構ですから」
何とか腕を放そうともがくけれど、男性の力が思いのほか強い。
強く拒絶しようにも、私のほうがぶつかった手前騒ぐこともできない。
困ったなあ、早くしないと・・・
「栞奈、何をしてるんだ?」
ほら、渉が戻ってきた。
「あの、妻がなにか?」
仕事の時に見せる威圧的な態度で近づいてくる渉。
そのオーラを感じてか、男性の手が離れていった。
「私がぶつかってしまったの」
渉が怒る前に言い訳してみたけれど、険しい表情が崩れることはない。
その後、男性のほうが逃げるようにその場を去っていった。
今日の予定は小樽散策。
運河遊覧した後は川沿いのお店を見て回る。
「このグラス、かわいいわね」
「ああ」
ガラス工芸のお店でいくつか買い物をして、お母さまと希未ちゃんのお土産も購入。
「わー、このチーズケーキもおいしそう」
思わず手が出そうになった私を渉が引っ張る。
ん?
「この後寿司に行くんだろ?」
「ああ」
そうだった。
地元のお寿司屋さんを予約したんだ。
「行くよ」
名残り惜しそうにケーキを見ている私を残し歩き出す渉。私もあわてて後を追った。
その時、
ドンッ。
慌てて駆け出したせいで、人にぶつかってしまった。
キャッ。
転びそうになった私を、ぶつかった男性が支えてくれた。
「すみません」
「いえ、こちらこそ」
大学生だろうか、若そうな男性。
服装や持ち物から見て観光客ではなさそう。
「大丈夫ですか?」
私の腕をしっかりとつかんだまま見つめられ、
「え、ええ」
答えに詰まった。
なんだかとても、嫌な予感が・・・
「おねえさん、おひとりですか?もしよかったら」
「あ、あの」
その先を聞きたくなくて遮った。
「ごめんなさい、連れがいるんです」
「残念だなあ、穴場のショップを紹介しようと思ったのに」
「・・・結構ですから」
何とか腕を放そうともがくけれど、男性の力が思いのほか強い。
強く拒絶しようにも、私のほうがぶつかった手前騒ぐこともできない。
困ったなあ、早くしないと・・・
「栞奈、何をしてるんだ?」
ほら、渉が戻ってきた。
「あの、妻がなにか?」
仕事の時に見せる威圧的な態度で近づいてくる渉。
そのオーラを感じてか、男性の手が離れていった。
「私がぶつかってしまったの」
渉が怒る前に言い訳してみたけれど、険しい表情が崩れることはない。
その後、男性のほうが逃げるようにその場を去っていった。