コイノヨカン
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
笑顔もなく通り過ぎていく専務。
「栞奈ちゃん、住むところは決まったの?」
萌さんが気遣ってくれる。
えっと、どう言おうか・・・
「しばらく、親戚の家にお世話になることにしました」
「そう。よかったわね」
「はい」
なんだか後ろめたい。
心配してくれているのに、騙しているようで申し訳ない。
プププ プププ
専務室からのコール。
私と萌さんは専務のもとへ向かった。
「午後から1時間ほど外出したいんだけど、時間がとれる?」
「午後ですか・・・」
萌さんが手帳を見て確認する。
「2時から3時の間でしたら大丈夫だと思います。3時予定の広報部長との打ち合わせを少しずらしてもらいますので」
「そう。ではお願いします」
分刻みにぎっちり詰まっている専務の予定は夕方まで切れ間がない。
「あの、専務」
スケジュールを確認し、部屋を出ようとした萌さんが思い出したように声をかけた。
専務は「何?」と視線を送る。
「実は今日、今井さん達新入社員の歓迎会なんです。よかったら、専務も顔を出していただけませんか?」
専務は何かを考えたように黙り込んだ。
「時間の調整がつけば行かせてもらいます。どこの店かだけ残しておいて」
「はい」
なぜか嬉しそうな萌さん。
「ああ、おはよう」
笑顔もなく通り過ぎていく専務。
「栞奈ちゃん、住むところは決まったの?」
萌さんが気遣ってくれる。
えっと、どう言おうか・・・
「しばらく、親戚の家にお世話になることにしました」
「そう。よかったわね」
「はい」
なんだか後ろめたい。
心配してくれているのに、騙しているようで申し訳ない。
プププ プププ
専務室からのコール。
私と萌さんは専務のもとへ向かった。
「午後から1時間ほど外出したいんだけど、時間がとれる?」
「午後ですか・・・」
萌さんが手帳を見て確認する。
「2時から3時の間でしたら大丈夫だと思います。3時予定の広報部長との打ち合わせを少しずらしてもらいますので」
「そう。ではお願いします」
分刻みにぎっちり詰まっている専務の予定は夕方まで切れ間がない。
「あの、専務」
スケジュールを確認し、部屋を出ようとした萌さんが思い出したように声をかけた。
専務は「何?」と視線を送る。
「実は今日、今井さん達新入社員の歓迎会なんです。よかったら、専務も顔を出していただけませんか?」
専務は何かを考えたように黙り込んだ。
「時間の調整がつけば行かせてもらいます。どこの店かだけ残しておいて」
「はい」
なぜか嬉しそうな萌さん。