コイノヨカン
それから、都会の真ん中を2人並んで歩いた。

途中書店に寄って本を選んだり、雑貨屋さんを見て回ったり、それなりに楽しんだ。

「あっ」

道路沿いの店先に張られたポスターの前で私の足が止る。

「どうした?」

「プラネタリウム」

それは数日前にオープンしたプラネタリウムのポスター。

「行きたいのか?」

うん。
でも、テレビでの紹介していたから予約がないとは入れないと思う。

「行こうか?」
「えっ、でも」

「いいから」

いつの間にか専務が私の手を握り、引っ張って行く。

「ちょっと待ってください」

時々転びそうになりながら、私は専務に連れられて歩いた。
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