コイノヨカン
会場の外へ出ると、スーツの1団が待ち構えていた。
次々に名刺が差し出され、ペコペコと頭を下げていく。

「いかがでしたか?」

ちょっと年配の男性が私に話しかけた。

「はい。とても素敵でした」

「それは良かったです。まだ違う演目もありますから、またおいでください」

「はい。次はちゃんと並んで見ます」

「え?」
スーツのおじさん達の視線が私に集まる。

私・・・まずいこと言った?

「面白いお嬢さんですね。いつでもご連絡ください。席をご用意いたします」

「ありがとうございます」
なんだか赤くなって、私は俯いた。
< 48 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop