コイノヨカン
それぞれ水割りとカクテルを2杯ずつ飲んで、私達は帰宅した。
時刻は11時を回っていて、母屋には顔を出さず離れに向かった。
「楽しかったです。ありがとうございました」
離れの玄関まで送ってもらい、私は今日のお礼を言う。
「じゃあ、お休みなさい」
「ああ、栞奈」
「はい」
1歩2歩、近づいた専務が小さな袋を差し出す。
「何ですか?」
「鈴」
「鈴?」
「うん。今日、栞奈が買い物をしているときに見つけたんだ」
「見ていいですか?」
「うん」
袋を開けると、猫の形をした鈴のキーホルダー。
「かわいい」
「これで鍵をなくさないだろう」
ああ。
「ちなみに、俺のは犬だから」
お揃いのキーホルダーを掲げてみせる。
うわ、かわいい。
思わず微笑んでしまった。
「ありがとうございます。大切にします」
「うん。・・・おやすみ」
すると、いきなり肩に手を乗せ前髪をさっと上げて、
チュッ。
おでこにキスをした。
「ああ、あの・・・」
「そんなことで赤くなるな。おやすみの挨拶だ」
「はあ」
口をパクパクさせて金魚のようになった私を、専務は可笑しそうに見て、
「おやすみ」
今度こそ帰って行った。
時刻は11時を回っていて、母屋には顔を出さず離れに向かった。
「楽しかったです。ありがとうございました」
離れの玄関まで送ってもらい、私は今日のお礼を言う。
「じゃあ、お休みなさい」
「ああ、栞奈」
「はい」
1歩2歩、近づいた専務が小さな袋を差し出す。
「何ですか?」
「鈴」
「鈴?」
「うん。今日、栞奈が買い物をしているときに見つけたんだ」
「見ていいですか?」
「うん」
袋を開けると、猫の形をした鈴のキーホルダー。
「かわいい」
「これで鍵をなくさないだろう」
ああ。
「ちなみに、俺のは犬だから」
お揃いのキーホルダーを掲げてみせる。
うわ、かわいい。
思わず微笑んでしまった。
「ありがとうございます。大切にします」
「うん。・・・おやすみ」
すると、いきなり肩に手を乗せ前髪をさっと上げて、
チュッ。
おでこにキスをした。
「ああ、あの・・・」
「そんなことで赤くなるな。おやすみの挨拶だ」
「はあ」
口をパクパクさせて金魚のようになった私を、専務は可笑しそうに見て、
「おやすみ」
今度こそ帰って行った。