マシュマロより甘く、チョコレートより苦く
中には、可愛らしいデザインの指輪が入っていた。
真ん中には小さな水色の宝石が煌めいていた。
よく見ると、裏側には「R.A」という文字が刻まれていた。
Rio Asakura…私のイニシャルだ。
「これ、俺とペアリングなんだ。もう俺つけてたんだけど、気づいてた?」
「えっ」
私は慌てて輝羅くんの右手を見る。
たしかにそこには、私と同じペアリングが銀色に光っていた。
「まだ付き合って1ヶ月だって思ってるかもしれない。けど、俺は莉桜が思ってるよりもっと好きになったみたいだから、どうしても渡したかった。こんな早くてごめんな。俺が18になるまでにまだ付き合っていたら、今度は結婚指輪渡すから」
まるでプロポーズされた気分だ。胸がいっぱいになる。
「ありがとう…!!」
私は早速ペアリングをつけてみた。
右手を上に掲げてみると、「私が」本当に「輝羅くんと」ペアリングをつけているんだなと実感が出てきた。
「ありがとう、輝羅くん。大事にするね!」
ともう一度お礼を言って笑うと、輝羅くんの顔が紅く染まった。
「…もう、不意打ち禁止」
輝羅くんの顔がゆっくり近づいてくる。
私はそっと目を閉じて輝羅くんのキスを受け入れる。
最初はキスなんてできないし戸惑っていたけど、とりあえず目を閉じとけ!と萌映に言われたのでそうしている。
「あーもう、かわいすぎ」
という輝羅くんは、私からそっと目線を外して
「ベッド、いこ?」
といった。
それが何の意味を示しているのか、なんとなく見当はついた。
「うん」
私はこくりと頷いた。
ちょっと恥ずかしいけど、輝羅くんは私の好きな人だしカップルなんだから拒む理由がないし。