マシュマロより甘く、チョコレートより苦く




「なんで…?なんでそんなことすんの…?」



私は溢れそうな涙を堪えながら尋ねる。あ、だめだ。堪えていたはずの涙がぼろぼろと流れる。



「その顔、余計そそられる」



今日、初めて彼は喋った。そして私が流した涙をひとしずく、ぺろっと舐めた。でもそれ以降はなにも喋ることもなく、ただ私で遊んでいるだけ。



ブラどころかあっという間に全て服は剥ぎとられ、無惨に床に放り出されていた。




「ねえ、やめてよ…っ」



私はそう言うのが精一杯だった。



涙が止まらなくて、怖くて苦しくて。



だって、付き合ってもうそろそろ3ヶ月。



彼は私の弱いところをたくさん知っている。



下手したら変な声でも出してしまいそうだ。



ぎゅっと唇を強く噛んで、私は目を瞑った。




さっきより強く鉄の味が口の中に広がった。




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