マシュマロより甘く、チョコレートより苦く
でも、そんなことは誰にも言えない。
私の一番の親友である萌映だって私と輝羅くんがラブラブなカップルだと思っているし、端から見ればそう見えるのは自分でも分かってる。
けど、…いや、だからこそ、言えない。
萌映だって暇じゃないんだし、それに彼女には奏太さんという彼氏がいる。
彼氏やそれ以外…私以外のことでいっぱいいっぱいかもしれないし、そんな彼女に迷惑なんてかけられない。
そんな風に彼に耐えながら進級し、私は高校二年生になった。
「わーい!今回もクラス一緒だね!」
萌映とは二年間同じクラスになることができた。
私は萌映のことが好きだからすごく嬉しい。
私が今まで輝羅くんから耐えることができたのも、萌映の存在があったからなんじゃないかって思う。
「クラス行こっか…あ、奏太!」
萌映は彼氏を見つけたようだ。途端にぱあっと顔が華やいだ。
「ごめん、ちょっと行ってくるね!」
萌映はそう言い残すと、さっと風のようにいなくなってしまった。