マシュマロより甘く、チョコレートより苦く





私が離れられない理由は、ここにもあった。



彼は怒ると怖いけど、私が逆らわなければすごく優しい。



だから、根は優しいんじゃないかって思う。



暴力とかをされるのは怖いけど、やっぱり彼が好きなのは変わらないんだもん。



だから、キスだって嬉しいし。



ただ、壊れているような、怒っているようなときの輝羅くんのキスは好きじゃない。



荒っぽくて噛みつくように激しくて、実際に血が出てしまうこともある。



だからこそ怖い。



でもすこしだけ我慢すれば、いつもの輝羅くんに戻ってくれる。



私は、そう信じてる。








“日直、放課後に授業のノートを集めて持ってきてくれ。以上”



輝羅くんと教室に戻ると、黒板に乱雑な癖のある右上がりの字でそう書かれていたのを見つけた。



「あ、私日直だ…」



「手伝うよ」



と言ってくれる輝羅くん。



「あ、でももう一人日直いたような気がするからその人に手伝ってもらうよ…」



「あ、ごめん」



と聞きなれない声が私の近くで聞こえた。



「朝倉さん、だよね?いなかったから授業のノート持って行っちゃった」



今日のもう一人の日直は…確か、久保くん、だったかな。



さっき日直を確認しようと黒板を見たらそう書いてあった。



簡単に紹介するとしたらサラサラの地毛の金髪を持つ爽やかイケメン。



なぜ地毛ってことを知ってるかって?…実は推測なんだけどね。まあ割とみんな同じように考えていると思うけど。



髪を染めるのは校則で禁止されているけれど、何も言われていないってことは地毛だってことだよね?みんなからはそう言われてる。



外国人らしい目鼻立ちのはっきりさがかっこいいし、見た目的には割とタイプかも。



なんて言うと輝羅くんに怒られそうだな。



…って、そんなんじゃなくて!



「あ、いなくてごめんね…ありがとう」



私は慌ててお礼を言う。



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