マシュマロより甘く、チョコレートより苦く
「ううん、たまたま朝倉さんがいないときに気づいて持って行っちゃった俺も悪かったから」
と久保くん。
なんて天使なんだろうこの人。私がいなかったのが悪いのに、庇ってくれてるなんて。
…しまった、後ろから殺気が…。
「久保くんありがとう。じゃ!」
私は話を切り上げて、急いで自分の席に座った。
***
「どういうつもりなの?俺にこれ以上妬かせんなよ」
もちろんその後輝羅くんに問い詰められた。
なんとなくこうなることは分かっていた。
確かに久保くんはイケメンだ。タイプかも、とも思った。けど好きになったわけでもないじゃん。
「だってそれはたまたま…っ」
私は慌てて自分の口を両手で塞ぐ。
なぜなら、彼の手がそっと私の弱い部分に入り込んできたから。
「ちょっと、やめ…⁈」
まあ大体は分かってたけど、彼はそういうことが得意だから抵抗できない。
それに、まだ壊れているわけじゃないから私自身も抵抗しようと思っていないのが一番の理由なんじゃないかって思う。