マシュマロより甘く、チョコレートより苦く



「莉桜は気が弱いから強く言わないけど、別にあんたのこと好きではないって言ってたでしょ?これ以上しつこくすると、私が許さないから」



萌映は引っ込み思案な私と比べてはっきりとものが言える。だからこういう時にもよく駆けつけてくれて、ごねる男子をコテンパンにしてくれた。今日もそれは変わらなくて、心の中で笑みが漏れる。



「…っ、」



男生徒は諦めたのか、何も言わずにその場を去っていった。



「萌映、ありがとう…」



と私がお礼を言うと、萌映は私と目を合わせながらさらっと短い髪を軽く耳にかけた。



「莉桜ったらまた告られてたじゃん。もうモテモテでいいね〜。ま、でも分かるけどさ。こんなにかわいい外見を持っていたら誰だって彼女にしたくなるよね」



「萌映だって彼氏いるくせに」



「ま、まあ…」



ちょっと萌映の顔が赤くなった。可愛い。



萌映には彼女が中1の頃から付き合っている彼氏がいて、私はその人に何回か会ったことがある。



萌映の彼氏は萌映と同じバレー部で、そして彼と萌映は周りからバカップルと言われるほど仲がいい。



イケメンだし気遣いができるし、第一萌映にぞっこんだし2人はお似合いのカップルなんじゃないかって思う。



反対に私は誰とも付き合ったことがない。



ま、ずっと片思いしてるからかな。



告白されても断ることが多い。



てか断ったことしかない。



だって、私は今でも彼のことが好きだから。



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