マシュマロより甘く、チョコレートより苦く



輝羅くんは一体何をしたいのか。



彼は私を単なる道具としてしか扱っていないような気がする。



だって人に暴力を振るうなんて、普通の人だったらありえないでしょ?



なのに手をあげるってことは、私をモノとしてしか見ていない証拠だ。



で、壊れたら怖いから殴ったあとはバカみたいに優しくする。



そしてまた治る前に死ぬか死なないかギリギリのところまで追い詰めて、それから助け出すんでしょ。



そのループだよね。



なんで、こうなるんだろう。



…なんで、こうなっちゃったんだろう。



私も輝羅くんも、普通の女の子と男の子のはずなのに。



ただのカップルなはずなのに…。











それから、学校に行く日になった。




「行ってきます」



「いってらっしゃーい」



お母さんは忙しいはずなのに、ここ最近仕事を遅らせてくれている。



たぶん、私を心配してくれているんだよね。



輝羅くんの嘘に気づいてはもらえなかったけど、その気遣いが嬉しい。



そして今日から輝羅くんがいない日が続くんだ。



そう思うと嬉しくて、でもやっぱり少しだけ寂しくて。



私はそんなことを思いながらドアを開けた。そしてあるものを見て目を見開いた。



…なんで…、



輝羅くんがいるの…??




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