マシュマロより甘く、チョコレートより苦く
「俺、やっと分かったよ。莉桜がいちばん好きなんだって。莉桜のことを忘れたくて、他の女とも付き合ってみたりした。けれど、どんな女と付き合ったとしても、俺の心は満たされなかったんだ。それに、このマフラー」
輝羅くんが私のマフラーにそっと触れた。自然と輝羅くんと距離が近くなって、頬が熱くなるのが自分でも分かった。
「俺があげたやつだろ?いつあげたんだろう…。そう思うほど前に渡したものを、莉桜はずっと大事につけてくれている。
それを見た時、莉桜じゃなきゃダメだ。莉桜が好きだって、今更ながら気づいた。ごめん。本当に、ごめんな。今更遅いのは分かってる。けど、もしまだ俺のことを好きでいてくれているのなら、俺と付き合ってくれませんか」
その言葉に、私の身体が電気が流れているかのようにびりびりと痺れた。
痛い痺れではなく、今まで感じたこともないなんとも甘美な痺れ方だった。
この気持ちなんてもう捨てようと思っていたのに、この言葉をかけられるなんて、思ってもみなかった。