マシュマロより甘く、チョコレートより苦く




***



そして久保くんに時間を指定された昼休みになった。



私は萌映にどう言っておこうか迷った。



でも萌映は



「奏太と会ってくる!」



と言って鐘が鳴ると同時に教室を出て行ってしまったから手間が省けたかも。



裏庭に行くと、もう久保くんは待っていてくれていた。



「あの紙に気づいたんだね」



「うん」



「…」



「…」



無言が続く。



「そういえばさ」



まず最初に切り出したのは久保くんだった。



「なんで俺のこと“久保くん”って呼ぶの?」



え。



「久保くんって呼んだ方が普通かなって」




と答える。中学も名字呼びが主流だったし、むしろ名前呼びの方が少数派なのかなって思ってたから。




「なんか他人行儀じゃない?」



< 70 / 100 >

この作品をシェア

pagetop