マシュマロより甘く、チョコレートより苦く



「あのさ」




「え…なに?」




帰る時に、輝羅くんに声をかけられた。




声をかけられること自体はなんてことないはずなのに、その声の真剣さに冷や汗が出てくる。



嫌な予感が、する。




「大事な話があるんだけど」




彼はそう言って、私に触れることもなく教室を後にした。




私はポケットに入っていたスマホをバレないように少しだけいじって、彼の後ろをすぐに追いかけた。



「遅かったね」




「ごめん…ちょっと人が急に集まってて避けられなくて」




「へえ…急に…ね」




ちょっと笑った輝羅くん。




でも、目は全く笑っていない。




「いつだったか、俺がこう尋ねた時あったじゃん?



『最近、顔色が良くなったな』って。」




輝羅くんは何か勘付いている。それに気づいた途端、冷や汗が止まらなくなった。




「で、莉桜はなんて答えたと思う?もちろん覚えてるよね?



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