マシュマロより甘く、チョコレートより苦く




「それが答えだよ。有賀が、目を背け続けていた」




輝羅くんは、今度こそはなにも言えないのか黙り込んでしまった。




「また今度、話をしよう。朝倉さんと今後一切連絡を取るのは禁止。朝倉さん、有賀の連絡先消しときな」



「…うん」




私は頷いて、震える指でスマホのロックを解いた。




なぜここに修斗くんが来たのか。




それはたまたま漫画のヒーローがヒロインの近くにいて助けにくるようなわけではなく、私が彼を呼んだのだ。




メールで「教室を出て左にきて」と送ったのだ。




ほんとうはもっと細かく伝えたかったのだが、それでは時間ロスだし輝羅くんに怪しまれるだろうと思ったのだ。




でも、こんな短い内容でも修斗くんはわかってくれた。



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