マシュマロより甘く、チョコレートより苦く
***
私はようやく家に帰ることを許された。
家までは修斗くんが着いてきてくれた。
「わざわざごめんね、遠いところまで…」
「まずは朝倉さんの心配しなよ」
と言われ自分の格好を見てみる。
見た目は大したことなくても、やっぱり肩の傷が目立つ。
「…こんなに傷をつけられても俺に相談してくれなかったんだよね…」
修斗くんが悲しそうな表情をするのを見て、私は焦った。
「ごめん。修斗くんが心配してくれるって分かってたから」
と言うと、彼はそっと笑った。
「もう何も心配しなくていいから」
彼は私の肩にそっと上着をかけてくれた。