マシュマロより甘く、チョコレートより苦く
「すぐに怒るし怒ったら怖いし、私が許可もしてないのに身体を触ってきたりするのも嫌だ。けど、優しい時の輝羅くんは好きだった。
あの日、私は何を間違えたからこんなことになっちゃったの…?何を間違えなければあのままの輝羅くんでいてくれたの…?苦しいよ。あのときの輝羅くんだって、今もいるよ。その時は嬉しい。めいっぱい優しくしてくれるし、私が好きな輝羅くんそのものだったのに…」
「あれは、本当の俺じゃない」
今度は私が目を見開く番だった。
「俺はずっと前から莉桜のことが好きだった。あのとき告白された時も、ずっと好きでいた。けど、本当の俺を見られて、幻滅されるのが怖かった。引かれたくなかった。だから付き合わないって決めていた。
けど、我慢できなかった。だから高1のときに告白したんだ。そしてOKしてもらえて舞い上がって、ほんとうに大切にしようって思ったのに。あの時、一か月だけでも会わないと俺の中で不安が生まれた。ほんとうは莉桜はほかに好きな人がいるけれど、俺とは同情で付き合ってくれてるだけじゃないのか。莉桜がほかの人のことを気にかけているって考えるだけでこんなにも胸が痛くなって。それが怖くて、莉桜がほかの誰かのものになるんだったら抱いた方が良いと思って軽率な行動をした。それからも、莉桜が離れていくかもしれないと思うと怖くて、俺の元に繋ぎ止めておきたかった。セックスすれば、身体だけでも繋がっていられると思ったから何度も無理やりした。ずっと俺の中に閉じ込めておきたかった。ほんとうに申し訳なかった」
輝羅くん…。
初めて私に謝ってくれた。