妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~


「決まったかあ」



なんという見計ったようなタイミングだ。
わちゃわちゃしていたのが落ち着いた頃になって戻ってくるなんて。




入り口に肩をもたれかからせて、さもやる気のないご様子で、なんだこの教室暑いなあ、とクーラーの温度を下げた。




そして黒板に目をやって



「なんだ、もう半分決まってるじゃないか。後半分だな。仲良く決めるんだぞー」とだけ言って




「ほな」と手を挙げ、また帰っていった。一体何をしに来たんだ、うちの担任は。





「仲良くだって」クスクスみんな笑う。




このクラスの誰もが今思っていることは……



「さっき、ものすごい喧嘩してましたけどね」だろう。



だとすれば同感である。


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