妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
「だから鈴木のこと気にすんなって言ったろ?」
真也が自分の席に戻り、寝る体制に入りながら言った。
「なんで……?」
「あいつと同じ中学だったけど、口は悪いし肝の据わったやつだったから、何となく大丈夫だろうなと思って。肝試しの時もけろっとしてたし」
河野さんに反抗した鈴木さん。鈴木さんに圧倒されていた河野さん。
声を荒げ、自分の意見をしっかり口に出している鈴木さんを私は初めて見た。
心底不思議に思ったが、収まるところに収まったのだなと勝手に頷く。
「お人好しって言われたな、私」
「まあその通りだと思う、久美は生粋のお人好しだ」
真也にまでそう言われ、お人好しを超えてお節介だったかもな、と苦笑する。
鈴木さんと河野さんの関係がどうとか、
意味深な会話はどう言う意味なのかとか、
そうゆう細かいことはあまり気にならない。
なにがともあれ丸く収まってよかった、よかった。