妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
そういえば、常木さんが鈴木さんを抱き寄せているところを目撃して焦ったりもしたが、
冷静になってみれば何か理由があったに違いない。
無闇やたらに女子高生を抱き寄せるなんてことはないだろうし。
泣いている鈴木さんを隠してあげた、とかそういうことだろう。
となれば……すっかり私はいつもの調子を取り戻していた。
そもそも私は常木さんの彼女なんかじゃないし、
嫉妬する権利さえないのだからうじうじしても仕方ないではないか。
両腕を組んで、うむうむ、と頭を揺らした。