妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~




「アホいうな、こっくりさんはみんなが通る道でしょーが」




真也から紙を取り上げた文字盤を、椎名は丁寧にカバンへしまった。




それって破って捨てるもんじゃないの?と聞けば「いいのいいの、記念だし」とのことだった。



我が友人は、たいへん大雑把なのである。







教室の扉が開いたかと思うと



───クラスの空気は途端に凍りついた。





視線は教室に入ってきた鈴木さんに集まり、水を打ったように場内は静まりかえった。さっきまでの賑やかさは欠片も残っていない。





示し合わせてなどいないはずなのに、クラス全体にまわった毒のせいで、嫌な空気を作り出す。




ほんの一瞬の沈黙。




そしてその静けさはやがて何もなかったみたいにものとざわめきに戻っていく。




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