妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~



「私のクラスにもいるわ。愛でられてるのに気づいていない鈍感少女。しかもお人好し、いい子すぎて腹が立つくらいだ」



女の子は鳥居の下に腰を下ろし、これ案外落ちないなあ、とぼやく。




「私はいじめられててもいいと思ってるんだけれど、その子が無茶苦茶気にかけてくれるんだよ。

心配そうに私を見てさ、机に落書きがされてあったら一緒に消してくれるし、掃除の班が一緒になった時は私に押し付けられないように取り計らってくれる。

私はいじめられるのを良しとしていながら、彼女に助けを求めてるんだ。矛盾してるよなあ。
さっきだってついあの子の方を見てしまったし……」




女の子はため息をついて雲ひとつない晴天を仰ぎ、苦笑いを浮かべた。




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