妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
教室の中心で談笑していた河野さんが
「そうだ、今度クラスのみんなで肝試ししに行こうよ」と提案した。
「鈴木さんも一緒に」と付け足す河野さんは残酷な笑みを浮かべている。
「おお、いいじゃん。行こーよ」
ただただ肝試しがしたいだけの椎名がノリノリで返事する。
「こっくりさんもやったし、あとは肝試しだよなあ」としみじみしながら。
椎名、あなたって人は……。
ふいに真衣の手が肩に置かれる。
「椎名は無邪気なんだ。河野さんの企んでることなんてこれっぽっちも気づいてないし、全く悪気がない」
「分かってるよ、天真爛漫、好奇心大勢。椎名のいいところだよ」
うんうん。そうなのだ、私も真衣も頷く。
友人の無邪気さを噛み締めている間に話はどんどん進んでいって、
「じゃあ、みんな明日の学校終わり、千秋神社に集合でいい?」
「おっけーい」「いいよー」と集合場所まで決まっていた。