妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
ついた頃には、体力が恐ろしく枯渇している私は膝に手を置いて
「つ、常木さん足早すぎ……」とぜえぜえ肩で息をする。
「それじゃあ学校の持久走も大変ですね」
そういう常木さんは全力疾走したというのに息ひとつ乱れていない。
全力疾走とは無縁そうな彼のどこからそんな体力が湧いてくるというのだ。
不思議いっぱいの常木さんは、涼しそうな顔をして土砂降りの雨を観察している。
「ちょっとぐらい運動したほうが良さそう……」
私が息をついた時、後ろから「お姉ちゃん体力なさすぎだね、大丈夫?」と幼い声が聞こえた。